高齢者のレクリエーションお勧めネタ&アイデア「1月」

使えるハウツー

お正月の飾り
1月、新たな気持ちでスタートを切る1年の始まり。「今年は◯◯の資格を取るぞ!」「もっとスキルを身につけたい」「今年はもっと家族にやさしくしよう」・・・誰もがそれぞれの抱負や夢を思い描くのではないでしょうか?

もちろん施設を利用する高齢者の方々にも、ぜひ1月は、1年の明るい展望や抱負を胸に抱いてほしいですね。

でもそのためには、できなくなってしまったこと、失ってしまったものを振り返ってばかりではなく、今できることに目を向けて、前向きな気持ちを持つことが欠かせません。

レクリエーションで新たな知識を吸収したり、できることを見つけたりして自信をつければ、自己肯定感やモチベーションが高まり、日々を意欲的に過ごすことにつながります。

1月の高齢者向けレクリエーションでは、楽しく無理なく取り組めて、明るい気持ちで新年をスタートできるものをセレクトしてお届けします!

1月ってどんな月?

1月は、1年のうちで一番寒さが厳しいとされる月。暦の上では1月前半を「小寒」、後半を「大寒」といい、道に氷が張ったり、雪がちらついたりと真冬の寒さが続きます。

日本の最低気温が記録されたのも大寒の頃で、明治35年の1月25日、北海道の旭川でなんと氷点下41度が記録されています。

気温が低く空気が乾燥していると、風邪やインフルエンザなどの感染症も流行しやすいので、しっかりと対策をとっておきましょう。

1月においしくなる食べ物は、魚ならあんこうやタラ、ズワイガニなどが身が締まり脂ものって味がよくなります。野菜なら小松菜や春菊、水菜などが旬を迎えて栄養たっぷりに。さっと煮ると緑が鮮やかになり、食欲をそそりますね。

寒い1月に咲く花はそれほど多くありませんが、すぐに思い浮かぶのは梅や福寿草でしょう。かじかむ寒さのなか、けなげに咲いている姿から元気をもらえます。どちらもとても縁起のよい花なので、1月の壁画のテーマにもぴったり。

とくに日本人に古くから愛される梅は、色の違いや一重咲きか八重咲きかなどの違いで、たくさんの種類があります。名前も「楊貴妃」「思いの儘(まま)」など風情のあるものが多く、興味を惹かれます。

何種類かをプリントアウトして、みんなで梅の品種について学びながら、どの梅を壁画のテーマにするかを話し合って決めるのも楽しそう。手先の運動だけでなく、コミュニケーションや脳の活性化にもつながります。

レクや会話のネタに!1月の記念日

1月1日:正月

木のコマと獅子舞のミニチュア
正月は、作物の豊穣と人々の健康を司る歳神(としがみ)さまをお迎えし、お祝いする行事です。この日ばかりは家族が顔をそろえて大人たちはのんびりすごし、子供たちは凧揚げにコマ回しと、お正月の遊びに興じたもの。

そこで、そんななつかしの正月遊びにスポットを当てたレクリエーションはいかがでしょう。

凧、コマ、羽子板、かるた、ふくわらい、すごろく、お手玉、めんこ、けん玉etc・・・ぜんぶでなくても手に入るものでOKなので、これらを用意しておき、昔を思い出して好きなもので遊んでもらいます。

若いころに体で覚えたことはなかなか忘れないものなので、お手玉やけん玉などはすごい名手が隠れているかもしれません。凧揚げや羽子板は、実際にやることはできなくても、実物を目の前にして思い出話を語り合ってもらうだけでもよいものです。

昔を思い出しながら、手先を使ったり集中したりすることで、脳が刺激を受け活性化。認知症にもよい影響が期待できそうです。いくつかのなかから自分のやりたいことを自分で選べる、というのもこのレクリエーションのポイントです。

1月7日:七草の節句

せり、なずな、ごぎょう(ははこぐさ)、はこべら、ほとけのざ(こおにたびらこ)、すずな(かぶ)、すずしろ(大根)、この7つが春の七草。これらを入れてコトコト炊いた七草粥は、素直な味わいで心をほっと和ませてくれますね。

お正月のごちそうであるお餅は、嚥下の問題でなかなか思う存分味わってもらうわけにもいきません。でも七草粥なら、安心して季節の味を楽しんでもらえるのではないでしょうか。

七草にはそれぞれに薬効があるといわれています。施設の食事で七草粥が提供される日があれば、その当日までに、七草について学ぶ学習系レクリエーションも考えられます。

植生や栄養、薬効などについてみんなで学んだあとは、実際に七草を見て触って、ニオイをかいでみるのもおすすめ。五感を刺激することで脳の血流もアップしますし、実際に食べるときももっと七草粥を楽しめそうです。

1月22日:カレーの日

この日がカレーの日になったいきさつは、小中学校の給食から。社団法人・全国学校栄養士協議会が昭和57年に、1月22日の全国の給食メニューをカレーと決めたことが始まりなのだそうです。

あなたにも、「今日の給食はカレー!」と思ったら学校へ行く足取りが軽くなった思い出があるのでは(笑)?

さまざまなスパイスが入ったカレーですが、なかでも欠かせないのが「ターメリック」。別名ウコンとも呼ばれ、カレーを黄色く色づけているスパイスです。

これに含まれている「クルクミン」というポリフェノールは、アルツハイマー型認知症の原因といわれるアミロイドβの蓄積を減らすことがわかっています。実際にカレーを日常的に食べるインドでは、アルツハイマー型認知症が圧倒的に少ないのだそう。

美味しくて認知症予防にもなるカレー、ぜひ上手に食生活に取り入れていきたいですね。

1月24日:初地蔵

毎月24日は「地蔵の縁日」といい、お地蔵さまのご利益が高まる日とされてきました。なかでも1月の24日は「初地蔵」といわれ、とくにありがたい日なのだそうです。

この日は病気の改善にご利益があるとされる、巣鴨のとげぬき地蔵が大賑わい。多くの高齢女性が訪れる巣鴨地蔵通りは「おばあちゃんの原宿」とも呼ばれています。

町の雰囲気がレトロでホッとすると評判を呼び、最近は若者も多く訪れているのだそうですよ。

1月25日:日本最低気温の日

1月の茶の間:こたつの上のみかんとお茶
冒頭でもふれましたが、この日は日本の最低気温が記録された日。寒さがきびしいと風邪をひきやすいですが、高齢者は重症化しやすいですから、風邪予防は万全にしていきたいですね。

風邪の予防法といえば手洗い・うがいが代表的ですが、それ以外にもビタミンCが、風邪が長引くのを防いだり、カテキンの抗菌作用なども効果があるといわれます。

そこでおすすめなのが、冬が旬の「みかん」と「緑茶」でティータイムを楽しむこと。その場で皮をむいてすぐに食べられるみかんは、ビタミンCを手軽に効率良くとることができます。また緑茶にはカテキンが多く含まれ、のどの抗菌作用を得ることができます。

みかんの皮をむく作業も、手先の運動になり一石二鳥。ヘタから皮をむく人、お尻からむく人など、むき方の違いも楽しい話題になりそうです。

「風邪対策に!みかんでティータイム」などとタイトルをつければ、いつものおやつタイムにちょっと変化が生まれるかもしれませんね。

笑う門には福来たる。笑いヨガに挑戦!

「笑いヨガ」はその名の通り、笑いながらやるヨガです。でも、なにもヨガをしている人をジョークやダジャレで笑わせる、というのではありません。別に楽しくなくても、「ハッハッハッ」「ホッホッホッ」と発声しながらやるのが「笑いヨガ」。

不思議なもので、楽しくなくても笑い声を真似して声を出すだけで、本当に楽しくなってきます。

高齢者施設では全身を使うヨガは難しい場合も多いので、座ったままできる「チェアヨガ」と組み合わせてみるのはいかがでしょうか。

チェアヨガと笑いヨガのやり方

【瞑想】心を落ち着かせる効果
椅子にまっすぐ座り、軽く目を閉じて胸の前で合掌します。鼻から息を吸って、ゆっくりと口から吐きます。これを10回ほど繰り返します。ヨガを始める前や終える前に行うと効果的です。

【木のポーズ】肩こりの改善に
両手を合掌したまま、ゆっくりと天井にむけて伸ばします。痛みなどがあれば無理をしないよう、できるところまででOKです。5回ほど呼吸したら戻します。

【杖のポーズ】膝の痛み予防に
息を吐きながら、右足をゆっくり上げます。できれば膝は伸ばしますが、難しければ伸ばしたままでOK。息を吸いながら下ろします。これを5回繰り返します。左足も同様に行います。

【笑いヨガ】ストレス解消に
両手をパーの形に開いて、元気よく手をたたきます。この手拍子に合わせて、「ホッホッハッハッ」と発声します。8回ほど繰り返したら、最後はみんなで「イェーイ!」と叫びながら両手でガッツポーズを。ポイントは恥ずかしがらず、思いきり声を出すことです。

手のひらを刺激することで血行も良くなり、笑い声を出すことで本当に笑っているのと同じような効果が得られるといいます。

たったこれだけでも、終える頃にはからだがぽかぽか温まり、楽しい気持ちになっているはず。

このほかにチェアヨガには、体側を伸ばしたり、体をねじるポーズなどもあります。慣れてきたら、いろいろなポーズにチャレンジしてみましょう。日替わりや週替わりで行うと、飽きずに楽しく続けられますよ。

1月のレクリエーション企画のポイント

1月のレクリエーション、企画のポイントはここだよ!
寒い1月、連日冷たい北風が窓を揺さぶり、ちらほらと雪が舞う日があるかもしれません。ついつい体も縮こまり、何をするにもおっくうに感じ、気分もふさぎこみがちに・・・。老人ホームの場合は、部屋から一歩も出ないなんてこともあるかもしれません。

自信を失いがちな高齢者にもレクを楽しんでもらうには、「これなら私にもできそう」と思ってもらうことが大切です。難しいレクの場合は難易度を下げたバージョンも用意したり、「見ているだけでもOKですよ」「ぜひ応援してもらえませんか」と、ハードルが下がる声かけをしたりするのもオススメです。

「じゃあやってみようかな」と思ってもらえればしめたもの。小さなきっかけから少しずつ始めて、新しい1年を前向きな気持ちで過ごせるよう、サポートしていきましょう。

【高齢者のレクリエーションお勧めネタ&アイデア】

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