若者だけじゃない!ダンスブームは高齢者にも広まっている?!

使えるハウツー

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EXILEや三代目J Soul Brothersなど、巷でダンスボーカルグループが人気を博していたり、某ドラマの影響で『恋ダンス』が流行ったり、小学校でダンスが必修になったりと、最近は昔に比べて「ダンス」に対する意識が強くなってきているように感じられます。

そんなブームは『若者だけ?』と思いがちですが、全然そんなことはなくて、高齢者の間や介護施設でもダンスがブームになっているそうです。今回はダンスが高齢者にもたらす効果や事例などをご紹介しながら、高齢者のダンスブームに迫ります。

ダンスは認知症予防に効果がある?!

なぜ、高齢者にもダンスが薦められ、ブームとなっているのでしょうか。その理由には「認知症予防に効果がある可能性がある」という研究結果が出てきているという点も大きいです。まずは、その中からひとつの論文をご紹介します。

施設入所中の認知症高齢者18名を対象に、ダンスセラピーを行う介入群とコントロール群に分け、介入前後の認知機能、行動心理症状、生活動作能力、脳波所見、唾液アミラーゼ活性値の変化を検討した。
Mini mental state examination(MMSE)得点は有意差を認めなかったが、介入群の効果量は大(r=0.54)であった。脳波の NAT 解析では徐波化の改善を認めた。唾液 アミラーゼ活性値の結果から、セッションを重ねるにつれ、参加者はダンスセラピーを心地よい刺激と捉えたことが示された。以上の結果から、ダンスセラピーは認知症高齢者の認知機能、脳機能、自律神経機能に効果がある可能性が示唆された。
出典:認知症高齢者に対するダンスセラピーの効果検討
http://ninchishou.jp/index.php?id=52

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ダンスは、体を動かすことで心肺機能の強化やロコモティブシンドローム※1、メタボリックシンドローム※2など、身体機能の改善にもつながります。さらにそれだけではなく、全身を動かすことで脳の活性化にもつながるので、認知症にも効果があると言われています。

高齢者の方がダンスを行う場合、肉体的にも認知機能的にも効果が見込める為、介護施設でのレクリエーションに取り入れられたりしているのです。高齢者の方が行うダンスのメリットとしては、適度な運動の面が大きいかもしれませんが、それ以外にも、他人と会話する機会も増え、社会と関わることができるため、それが生きがいの創出につながっていくという面もあるのではないかと筆者は考えます。

こういったコミュニケーション面から考えると、高齢者の方には社交ダンスがオススメなのではないかと思います。30~40代が華やかに激しく踊るイメージがある社交ダンスですが、最近は高齢者にも大変人気だそうです。社交ダンスは踊るとき必ずペアを作り、ペアの人とコミュニケーションを取る必要があります。そのため、コミュニケーション不足になりやすい高齢者の方にとってはコミュニケーションの補填に役立ちそうですね。

何のジャンルのダンスに取り組むか決まっていない方に向けては社交ダンスをオススメするのもいいのではないでしょうか。

介護施設での高齢者ダンスの取り組み例

実際に介護施設で「ダンス」をレクリエーションとして取り入れている例をご紹介します。

札幌の介護付有料老人ホーム ルルドの泉
実践例を見る:
http://ameblo.jp/luludo-izumi/entry-11481695147.html

住宅型有料老人ホームサービスハウス縁
実践例を見る:
http://www.en-yakora.com/index.php?2016%2F1%2F1

どちらの施設もとても人気のあるプログラムみたいですね。実例を見てみると、簡単な振り付けのものや、座ったままでも参加できるように工夫したものなど、各施設によって特徴のあるレクリエーションになっているみたいです。

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メディアでも取り上げられる高齢者のダンス

高齢者ダンスの情報として興味深いものがあるのでご紹介します。

ニュージーランドに実在するギネス公認の世界最高齢ダンスグループを追ったドキュメンタリー映画「Hip Hop-eration」が「はじまりはヒップホップ」という邦題で2016年8月から日本でも公開され、メディアでも「高齢者のダンス」は話題になりました。若者と高齢者をつなぐツールとしても「ダンス」は魅力的と考えさせられる映画です。普通に見れば勇気づけられるハッピーな映画なので是非、見てみてください。
映画情報はこちら:
http://hajimari-hiphop.jp/
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まとめ

今回は、高齢者のダンスについてご紹介してきました。いかがでしたか?

施設をあげて行っているプログラムや、個人で習い事のように取り組めるもの、車いすでもできるもの…ダンスと一口にいっても多様な形態があります。また、高齢者から子どもまで一緒に行うことができるのもダンスの特徴です。自分の体力や好きな音楽のジャンルなどを考慮してどんな形でダンスに取り組めそうか考えてみるのも良いかもしれないですね。

※1ロコモティブシンドローム
運動器の障害や、衰え(関節可動域制限やサルコペニア等の筋力低下など加齢や生活習慣が原因といわれる)によって、歩行困難など要介護になるリスクが高まる状態のこと。
ロコモティブシンドローム 」(2016年12月12日 (月) 00:48 UTC)『ウィキペディア日本語版』
URL:https://ja.wikipedia.org

※2メタボリックシンドローム
肥満(腹部肥満)、高血糖、高血圧、高中性脂肪、低HDLコレステロールのうち3つ以上がそろった状態をいう。
メタボリックシンドローム」(2016年12月26日 (月) 08:47 UTC)『ウィキペディア日本語版』
URL:https://ja.wikipedia.org

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