介護過程とは?必要性と4つのプロセスを解説

使えるハウツー

一致団結する介護士介護過程とは、一言で表すと「確かな根拠をもとに介護ケアを行うための過程」です。
4つのプロセスから構成されており、介護過程を進めていくことで、一人ひとりに適切でよりよい介護ケアを提供できるようになります。

本記事では、介護過程とは何か、必要性、介護過程の4つのプロセスについて解説します。

介護過程とは

シニアの方に体の調子を聞く介護士
介護過程は、「アセスメント→計画立案→実施→評価」の4つのプロセスから構成されています。
プロセスの流れとして、最初に情報収集を行い、ご利用者様が生活のなかで何に困っているのかを知り、問題点や課題を見つけます。

問題点を改善・解消するためにはどのような介護ケアが必要かを考えて、計画・立案し、実践。
実践の記録をもとに評価を行い、出てきた課題を次の計画につなげるプロセスを繰り返していきます。

介護過程はなぜ必要なのか

相談する介護士達

介護過程の目的は、ご利用者様が望む生活を実現するために必要な課題を解決することです。
介護をする際、介護職の経験や勘に頼っていると介護の質が統一されないため、課題の効果的な解決につながりません。

介護ケアの均一化を図るために、介護過程では、介護ケアを提供する際の具体的な方針や内容など、個別の介護計画を立案します。

「なぜ、その介護ケアを行うのか」というしっかりとした根拠と目的があるからこそ、介護ケアが均一化され、質の向上につながりやすくなります。
また、介護チームが同じ目的に向かって多様な意見を出し合うことで、それぞれの専門性を生かした適切な介護を進めていけるのです。

介護過程を展開する際にプロセスをきちんと言語化して記録することで、介護実践の根拠について振り返り、検証することも可能になります。

介護過程の4つのプロセス

介護過程4つのプロセス

介護過程の4つのプロセスについて、詳しく解説していきます。

1.アセスメント

介護におけるアセスメントでは、ご利用者様とご家族が抱える問題や悩み、課題などの情報を収集します。
それらの情報から、ご利用者様が望む生活を送るために必要な取り組みや課題をみつけ、目標を設定します。

アセスメントを行う際は、以下の3つのポイントを押さえましょう。

  1. 情報収集
  2. 情報の分析・解釈・統合・判断
  3. 生活課題の明確化

それぞれについて、詳しくお伝えします。

(1)情報収集

施設や病院から紹介されたご利用者様については、家族構成・病歴・入居(入院)中の日常生活動作能力などの情報収集を行っておきましょう。アセスメントを行う際は、あらかじめどの項目を誰に聞くのかを分けておくことで、スムーズな情報収集が可能です。
初回訪問前に、医療ソーシャルワーカーや介護相談員などから情報を集めておくことで、より正確に利用者の心身の状態を把握できます。
たとえば、2名でアセスメントを行って意見をすり合わせる、ご利用者様の希望する生活のイメージを明確にするなど、それぞれに工夫されている施設もあるようです。

(2)情報の分析・解釈・統合・判断

ご利用者様が、生活のなかでどのようなことに困っているのか、収集した情報をもとに具体的に把握し、さらに関連情報を集めます。
そして「動作などがどこまでできるか」「何に支障があるのか」など、細分化して明確にします。
支援の必要性を詳細に調べ、記録しておくことで、ご利用者様にとって最も適切な介護ケアを総合的に判断し見つけられるのです。

(3)生活課題の明確化

生活のなかでご利用者様に起こりうる危険を予測するとともに、今後起こる可能性のある課題をみつけて明確にします。
課題の見落としがないように、多様な意見を採り入れ、より良いサービスを提供するために複数名でチェックを行うようにするとよいでしょう。

2.介護計画の立案

介護計画の立案では、アセスメントで明確になった課題を解決するために必要な介護ケアを、個別介護計画として作成します。
最初に目標設定を行い、目標を達成するために必要な介護ケアの内容や方法、頻度・実施の必要性などを考えて、本人や関係者と一緒に具体的なプログラムを作成。
介護計画に決められた様式はないので、それぞれの施設で工夫して作られています。

チーム全体で共通認識を持ちやすくするために、写真などの視覚的な補足資料をつけたり、ご利用者様自身の希望を記入するシートを用意したりしているところもあります。

3.実施

個別介護計画で作成したプログラムを、現場で実施していきます。
介護ケアを実施する際は、個別介護計画の内容と、「なぜそれを行うのか」という明確な根拠を常に意識しながら行うことが大切です。
また、今後につなげられるよう、実施した記録をきちんと言語化して残すことも重要です。
施設の例として、毎日15分程度の多職種のカンファレンスを実施するところや、ケアを実施するなかで気づいたことを「気づいたことカード」に記入し、共有するといいかもしれません。

4.評価

これまで実践してきた介護ケアを振り返り、効果を客観的に判定。目標がどのくらい達成できているかをチェックして評価します。
評価の結果、達成できなかった目標や、新たに課題などがみつかった場合は、介護計画の見直しをして再度アセスメントを実施し、より利用者の希望に沿った支援にしていきます。

介護過程の展開で一人ひとりに適切な介護を

チームワークを大切にする介護士達
介護過程を展開し、「アセスメント→介護計画の立案→実施→評価」の4つのプロセスを繰り返しながら適切な介護ケアを行っていくことで、ご利用者様が望む生活の質向上につながります。

介護職チームで意識を統一しながら、ケアを進めていきたいですね。

一人ひとりに寄り添った介護をするためには、施設の方針や理念を知り、自分の理想に合った職場を選ぶことがとても大切。スキルと理想の両輪がしっかりしていると、より良いサービス、やりがいにつながるはずです。

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