「日常の介護に必要な細かいものを買いそろえると、想像以上に費用がかさむ…」

そのように感じながら介護をしている方も多いのではないでしょうか。
実際に、介護に要する費用（公的介護保険サービスの自己負担費用を含む）は、「ひと月に平均8.3万円」というデータがあります（※）。

介護に要する費用は通院費だけではなく、日常的な消耗品費などもかかります。その経済的負担を少し軽減してくれるのが、100円ショップ。実は、日常的な介護に使えるグッズが100円ショップでも手に入るのです。
今回は、100円ショップで購入できる「介護に使える便利グッズ」をご紹介。実用的でお得に感じられるグッズがきっと見つかると思いますので、ぜひチェックしてみてください！

※生命保険文化センター「生命保険に関する全国調査2021（令和3）年度」より

飲食時に便利な100円介護グッズ

ストロー付きのコップやペットボトルキャップ

ムセ防止やベッドに横になっている要介護者の水分補給に役立つのが、ストロー付きのコップやペットボトルキャップです。飲みやすさ、飲ませやすさはもちろん、コップやボトルを倒してしまっても中身がこぼれにくいため安心です。
また、商品にもよりますが使い捨てのストローを使用できるタイプもあり、衛生的なうえにストローを洗う手間が省けて大変便利です。

【参考】大手ショッピングサイトで販売されている価格帯：500円～1,000円

ドリンクホルダー

自動車や自転車、ベビーカーなどに取り付けられるドリンクホルダーを、車いすにつけて使用します。ものを置くスペースが設けられていない車いすも多いため、ドリンクホルダーをつけておくと夏場の水分補給時はとくに重宝するでしょう。

【参考】大手ショッピングサイトで販売されている価格帯：500円前後

【ハウツー】こんな使い方も！
ベッドの柵やヘッドボードにドリンクホルダーを取り付けておくと、要介護者はベッドの上にいても飲み物に手が届くため便利です。取り付けにくい場合は、強力なマジックテープや結束バンドで固定するとよいでしょう。

シリコン製スプーン

口当たりのやわらかいシリコン製のスプーンは、要介護者にとっては食べやすく、介護者にとっても口に運びやすく食べさせやすいグッズです。また、やわらかい材質なので食器のなかの食べ物を残さずきれいにすくえて便利です。

【参考】大手ショッピングサイトで販売されている価格帯：1本400円前後

食事用エプロン

食事の際に食事用エプロンがあれば、食べこぼしても服が汚れることがなく便利です。100円ショップでは、繰り返し使えるタイプの食事用エプロン（1枚入り）と、使い捨てタイプの食事用エプロン（8枚入り）が販売されています。繰り返し使えるタイプは食べこぼしをキャッチするポケットがついており、使い捨てタイプはエプロンを洗う手間を省けるため、それぞれ便利に使えます。

【参考】大手ショッピングサイトで販売されている価格帯
繰り返し使えるポケットつき食事用エプロン（1枚）：1,000円～2,000円前後
使い捨て食事用エプロン（50枚～60枚入り）：1,000円前後

その他の便利な100円介護グッズ

うがい受け

小さい子どもから高齢者まで、健康を維持するうえで「お口の健康」はとても大切です。うがい受けは、歯磨きや口腔内のマッサージなどの口腔ケアをおこなうときに使います。介護を受ける方のなかには前かがみになることやベッドから起き上がることが困難な方もいるため、うがい受けは用意しておくと便利でしょう。また、急な嘔吐の際にも使えます。

【参考】大手ショッピングサイトで販売されている価格帯：300円～900円前後

大人用厚手のからだふき、おしりふき

からだふきシートは要介護者の入浴が困難なときに、からだ表面の汚れを落としたり体臭を予防したりするために使います。もちろん、汗をかいたときにも使用できます。
大手100円ショップで販売されている「大人用からだふき」のサイズは幅20cm×長さ22cmで60枚入り。これが100円なら試してみる価値はあるでしょう。また、おしりふきはトイレに流せるタイプのものも販売されています。

【参考】大手ショッピングサイトで販売されている価格帯
からだふき：1パック60枚入り200円～300円前後
トイレに流せるおしりふき：1パック70枚入り300円～400円前後

おむつ用消臭ポリ袋

おむつ用消臭ポリ袋は必需品ともいえる介護用品です。ビニール袋や新聞紙を使って処理することもできますが、これらにはにおい漏れを防ぐ効果はあまりありません。おむつ専用の消臭袋はしっかりにおい漏れを防いでくれるため、使用したことがない方はぜひ一度試してみてください。
大手100円ショップで販売されている「おむつ用消臭ポリ袋」のサイズは、38cm×25cm×7cmで20枚入り。大人のおむつも十分に入るでしょう。

【参考】大手ショッピングサイトで販売されている価格帯
20枚入り：200円～300円前後
90枚入り：1,000円～1,200円前後

フレンチボトル（ドレッシングボトル）

フレンチボトルとは、ケチャップやマヨネーズ、ドレッシングなどを入れる先細りしているタイプのボトルです。こちらはおしりを洗浄するシャワーボトルの代わりとして使用可能です。

【参考】大手ショッピングサイトで販売されている価格帯：200円前後

呼び出し鈴

呼び出し鈴は手伝いが必要なときに「チーン」と鳴らして介護者に知らせることができるため、準備しておくと便利です。100円ショップで売られているのは、昔からある定番のシンプルな呼び出し鈴です。家電量販店や大手ショッピングサイトでは、電池式のワイヤレスタイプのものが販売されています。

【参考】大手ショッピングサイトで販売されている価格帯
呼び出しベル（電池なし）：500円前後
ワイヤレス呼び出しベル：2,000円～4,000円

【ハウツー】こんな使い方も！
高齢者はヒートショック（※）を起こしやすく、トイレや浴室で倒れてしまうこともあります。トイレや脱衣所、入浴時は浴室に持ち込めば、急な体調不良で助けを呼べない状況のときに介護者や同居者に知らせることができて安心です。

※ヒートショック：大きな気温差により血圧が乱高下して、疾患を引き起こすこと。めまいや意識消失、重度になると心筋梗塞などを引き起こす。

滑り止めマット

滑り止めマットは介護にはなくてはならないグッズであり、多用な使い方ができます。ランチマットのようにして使えば食器のズレ防止になりますし、クッションの下に敷いてズレ防止としても役立てられます。また、要介護者が滑って転倒してしまうと大きなケガにつながりかねないため、転倒予防として浴室の洗い場に敷くこともおすすめです。

【参考】大手ショッピングサイトで販売されている価格帯：1,000円～2,000円前後

【ハウツー】こんな使い方も！
滑り止めマットを適当な大きさに切り、車いすの足置き（フットレスト）に張り付ければ、足のずり落ち防止に役立ちます。

100円ショップを介護にうまく活用しよう

介護に使える便利グッズは、身近な100円ショップで意外と多く見つけられます。また、アイデア次第でその使い道は広がるため、「これは○○のときに使えそう！」と商品を探すのも楽しいかもしれませんね。

ものによっては、ドラッグストアで販売されている商品のほうが、使い勝手がよかったり低価格だったりすることもあります。「これはドラッグストアで買う」「これは100円ショップのもので十分」など、上手に使い分けるとよいでしょう。
また、買い忘れや外出先で忘れ物に気づいたときなどは、100円ショップで売っていることを覚えておけばあせらずに済みます。

ぜひ、100円ショップをうまく活用して、介護に役立ててみてはいかがでしょうか。