備えておきたい認知症保険。その保障内容や注意点とは

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認知症保険についての説明文

年々平均寿命が延び続け、「人生100年時代」に突入した現代社会。

人生が長くなればなるほど、病気や怪我、経済面など、さまざまな不安やリスクが増大し、長い老後を生き抜くための対策が不可欠となってきます。

そうした老後のリスクのひとつが、認知症です。

内閣府の「平成29年版 高齢社会白書」によると、2012年時点の国内の認知症の高齢者人口は約462万人であったのに対し、2025年には約675~約730万人、2040年には800万人を超えると推測されています。つまり、2025年には高齢者のうち5人に1人は認知症有病者となっている可能性があるのです。

そして、認知症の増加に伴って、思わぬ事故やトラブル、長期の入院、介護費の増大など、経済的負担が深刻な問題になっていくでしょう。

そうした時代の流れを受け、今、認知症を発症した際に保険金・給付金を受け取れる「認知症保険」のニーズが高まっているのです。

とはいえ、保障内容や加入条件など、「知らない」「よく分からない」という方もまだまだ多いはず。そこで今回は、認知症保険についての基本知識をはじめ、保険を選び際のポイントと注意点についてご紹介いたします。

そもそも認知症とは?どのぐらいの費用がかかる?

確定申告書への記入準備

さまざまな原因により脳の記憶力や認知機能を司る部位がダメージを被り、日常生活を送るうえで支障を来たしている状態(症状)のことを言います。

認知症に罹患した場合、ものごとを覚えられなくなったり、普段使っていた家電やATMが使えなくなったり、時間や場所の感覚がなくなったりして、やがて他人の助けを借りなければ生活を営むことが困難になってしまいます。そして、何より重要なのが認知症の主な原因が「加齢」だというところ。つまり、誰もがかかる病であり、齢を重ねるにつれて罹患リスクはどんどん高まっていくのです。

では、認知症になってしまった場合、医療費や介護費としていくら必要となるのでしょうか。厚生労働省の研究調査によると、次のような結果になっています。

  • 認知症の医療費
    1人あたりの入院医療費:344,300円/月
    1人あたりの外来医療費: 39,600円/月
  • 認知症の介護費
    介護サービス利用者の1人あたりの在宅介護費:約219万円/年
    介護サービス利用者の1人あたりの施設介護費:約353万円/年
    ※厚生労働科学研究成果データベース『わが国における認知症の経済的影響に関する研究』より

日本では国民皆保険制度のもと、誰もが公的医療保険や公的介護保険を利用できるので、上記の金額をすべて自己負担で賄うわけではありません。しかしそれでも、金銭的な負担は大きいといえるでしょう。

また、介護費用のほかにも、認知症で判断力が低下し第三者に予期せぬ損害を与えてしまい、賠償トラブルになるというケースも少なくありません。

認知症保険とは。その保障内容は?

このような経済的リスクを少しでもカバーするために登場したのが認知症保険です。

認知症保険とは、一般的には『器質性認知症』と診断された場合などに給付金を受け取れる保険のこと。民間介護保険の一種であり、「認知症」という病気への保障に特化した保険となっています。

多くの認知症保険では、病院で検査を受けて認知症と診断確定された場合に、保障が開始されます。そして、認知症の治療にかかる医療費をはじめ、介護のための自宅改修費用などさまざまな用途にあてられるほか、認知症患者が事故を起こしたり、他人に対して損害を与えた場合などに保険金が支払われるタイプの認知症保険も用意されています。

また、認知症保険によっては、高齢者向けに骨折治療の保障が含まれるもの、死亡時の保障が含まれるもの、軽度認知障害(MCI)と診断された場合に保障を開始するものなど、さまざまな種類の認知症保険もあります。加入する保険によって、保障(補償)される内容や給付金・保険金を受け取れるケースに違いがあるため、内容をよく理解してから加入する必要があるでしょう。

失敗しないための、認知症保険を選ぶ5つのポイント

POINTアイコン

認知症保険は、保険金の支払条件や待機期間など、その保障内容が商品によって大きく異なります。そのため、保険加入を検討する際には、以下のような点についてしっかりチェックしておくことが大切です。

1.加入年齢
認知症保険の加入年齢は幅広く、商品によって20歳~80歳代とさまざま。加入年齢は保険商品によって大きく異なるため、自身の年齢で加入可能か必ず確認しましょう。ただ、あまりに早く加入してしまうと、実際に必要な時期に保障額の不足やニーズと保障内容のミスマッチが生じていることも予想されるので要注意です。

2.加入条件
認知症保険は、健康な人向けの「標準体タイプ」と、過去に入院歴や持病がある人向けの「引受基準緩和タイプ」の2通りがあります。契約時に現時点の健康状態や過去の病歴・入院歴を保険会社に告知する義務があり、保険会社は告知された情報をもとにして査定を行い、契約者の保険への加入可否を決定。入院歴や持病がある人はそうでない人に比べて査定が厳しくなることを予め頭に入れておきましょう。

3.給付条件
給付条件とは、保険金を受け取るための条件であり、多くの認知症保険が「認知症と診断確定された時」と設定されています。ただし、認知症と診断された場合でもアルコールが原因であったり、各保険会社が定める認知症状態に当てはまらないと判断される場合は保険金を受け取れないこともあるので注意が必要です。また、認知症保険は比較的新しくできた制度であるため、各保険会社によっても支給条件にばらつきがあります。選ぶ際には保険金がどのような状態のときに支給されるかをしっかりと確認しましょう。

4.受け取り方法とタイミング
認知症保険は、ほかの民間介護保険と同じく、定額の給付金を一時金で受け取れるタイプと終身年金で受け取れるタイプの2通りがあります。一時金タイプは、「できるだけ割安な保険料で加入したい」「まとまったお金が必要となる初期費用などに備えたい」という人向き。一方、年金タイプは、「初期費用などは預貯金でまかなうが、認知症介護が長引いた時の負担増に備えたい」人向きです。また、保険会社によっては「認知症の状態が180日以上継続した場合」と条件にしており、一定期間経過しなければ保険金を受け取れないことも。保険金をスムーズに受け取るために、給付条件と給付のタイミングは必ず確認しておきましょう。

5.認知症+αの保障内容
認知症保険のなかには各社所定の認知症の状態になった場合のみを保障する商品と、介護保障や医療保障、死亡保障が付加されている商品があります。認知症以外にも、幅広い介護や疾病、死亡リスクなどに同時に備えたいなら、+αの保証も検討しましょう。幅広い保障をカバーする商品を選んだ方が、複数の商品に加入するよりも保険料が割安になる可能性が高くなり、お得です。

デメリットも抑えて、かしこく選択し豊かな人生を!

青空の下で笑顔いっぱいのシニアたち

これまで述べてきたように、認知症保険は認知症にかかる経済的リスクに備える有効な方法です。ですが、数々のメリットがある一方、デメリットもあります。
・認知症の診断後すぐに給付金を受け取れない
・すべての「認知症」で給付を受けられるわけではない
・加入していることを忘れてしまうおそれがある
・解約返戻金がない
など、いくつかのデメリットを認識したうえで適切に選択すれば、将来の力強いパートナーになってくれるはずです。

近年は多くの生命保険会社から認知症保険が販売されているので、まずは各社の商品について、商品情報を集めることから始めるのが良いでしょう。また、加入条件や保障範囲などそれぞれの商品内容を確認し、ご自身のライフプランや予算に応じた保険を選ぶには手間と時間がかかります。まずは保険のプロに相談し、アドバイスを受けながら決めていくのもオススメです。

自分にあった保険をかしこく選択し、人生100年時代を豊かに過ごしていきましょう。

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