認知症ケア専門士の資格を介護士が取得するメリット

資格・スキル

認知症ケア専門士の資格を取ろう!
介護現場では、認知症の方と接する機会も多いもの。その症状の出方は、無気力だったり興奮しがちだったりと、人や状況によってさまざまです。

良かれと思って対応しても、認知症に関する知識が不足していると、場合によっては余計に本人を混乱させたり、不安にさせてしまうことも。

「認知症ケア専門士」という資格は、介護職の「こんなときはどう対応したらいいんだろう?」「穏やかに過ごしてもらうにはどうしたら効果的?」という疑問や不安を解消するのにぴったりの資格です。

このコラムでは、介護職が認知症ケア専門士の資格を取るメリットに加え、試験の流れや勉強法まで詳しく解説。介護士には欠かせない認知症の知識を深め、介護士として大きくステップアップしてみませんか?

認知症ケア専門士とは?

認知症ケア専門士は、認知症についての専門的な知識や適切なケアについて学んだことを証明できる資格です。一般社団法人日本認知症ケア学会が認定する民間資格で、5年ごとの更新制になっているのが特徴です。

受験者のうち最も多いのが介護福祉士で、次いで介護支援専門員、ヘルパー、看護師の順になっています。

民間資格のため国の介護報酬加算には関係ないのですが、事業所にとってはスタッフに認知症ケア専門士が在籍していると、認知症ケアに力を入れている施設であるアピールに。また、「認知症ケア専門士のいる施設・団体」に掲載されるメリットもあり、介護業界でしっかり評価されている資格です。

2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると推計※されている日本。認知症ケア専門士は、今後ますますニーズが高まっていく人材だといえるでしょう。

平成28年版高齢社会白書・概要版(内閣府)より

介護士が認知症ケア専門士の資格を取得するメリット

まだ経験や知識の浅い介護士は、「認知症の方と接するのは不安」という悩みを抱えがちです。でも、介護士自身が不安な気持ちのまま認知症の利用者と接してしまうと、利用者にも不安が伝染し、よけいにコミュニケーションが取りづらくなりかねません。

認知症ケア専門士の資格を勉強し、認知症に関する深い知識を得て自信をつけることで、実際に認知症を患う利用者と接しやすくなります。これが一番のメリットといえるでしょう。

また、ひと口に認知症といっても、発症の原因によって認知障害の特徴はさまざま。たとえば、3大認知症といわれるアルツハイマー型とレビー小体型、血管性認知症では、特徴的な症状に違いがあります。

認知症ケア専門士の資格を取得すると、単に認知症の方とのコミュニケーションが向上するだけではなく、そうした認知障害の特徴を知ることにも役立ちます。きちんとした知識に基づいて、適切なケアができるようになることも大きなメリット。

介護する人が認知症についての正しい知識をもっているかどうかは、認知症の人のQOL(クオリティ・オブ・ライフ=人生の質)を高めるために欠かせません。この資格を持っていると、認知症の方やそのご家族に、安心・信頼してもらいやすいのも魅力です。

実際の介護の現場で、認知症ケア専門士の資格はどう役に立つのか

高齢者に声がけする介護者

ここでは更に具体的に、認知症ケア専門士の資格が介護の現場でどのように役に立つのか、説明していきます。認知症ケア専門士の資格を取得する主なメリット・強みは以下の3点です。

  • 認知症ケアの知識に基づいた介護・介助ができる
  • 上記から、一人ひとりの認知症の症状に合わせた介護ができる
  • 日常生活やレクリエーションの場面を通じ、機能訓練を取り入れることができる

上記を踏まえて、例を挙げてみましょう。例えば、記憶障害がある認知症の利用者のケアでは、

  1. 相手のスピードに話すスピードを合わせているか
  2. 話す時に、1度に長い文章や情報を与えてないか
  3. 1度伝えたら「伝えた」と安心していないか
  4. 話を聞くだけでなく、目で見て変化に気付く工夫をしているか

などの配慮が必要です。こうした知識は、介護士が自ら”認知症ケアに関する知識を身につけよう”と動かないと、得られる機会は少ないです。

認知症ケア専門士の資格の勉強などで、こうした知識を身につけていれば、

  • ゆっくり話してあげよう
  • 1つずつ言ってあげよう
  • さっきも言ったけど、念のためもう1回伝えよう
  • 書いてあれば思い出せる人なので、メモ書きを置いてあげよう

など、様々な工夫の方法が見つかります。

認知症ケアに関する知識は、チーム内で共有したり、新人の指導に活用したりすることもあるので、自然とリーダー的な役割を担う場面が増えてくるとも考えられます。

民間資格のため、今のところ直接資格手当を設けている施設はあまり多くはありませんが、資格取得者の活躍によっては今後増えていく可能性も。
認知症ケアの技術や知識を持っていることの証明になるため、グループホームや認知症対応型の施設などで就職に有利に働くことも考えられます。
サービス提供責任者など、介護業界でキャリアアップを目指されている方なら、取っておいて損はない資格です。

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