介護福祉士を目指す人が知っておきたい助成金情報

資格・スキル

お札を手にしてにっこり笑顔の女性

多くの介護職が目標とする資格、「介護福祉士」。介護系の資格のなかで唯一の国家資格であり、しっかり給与額にも反映される評価の高い資格です。ただしその分勉強することも多く、学習費用がかかるという負担もあります。

今回はそんな負担を軽減するためにつくられた、助成金制度についてご紹介していきます。条件が合えば公的なものを利用するのもおすすめですし、民間のキャンペーンなども利用しやすくなっていますので、これから資格取得を考えている方はぜひ活用してみてくださいね。

介護福祉士取得にかかる費用は?

「介護福祉士」になるためのルートには、「養成学校・福祉系高校ルート」と「実務経験ルート」があります。養成学校・福祉系高校ルートでは卒業までに100万円を越える学費がかかることもありますが、実務経験ルートなら費用を安く抑えることができます。ここでは多くの人に選ばれている、実務経験ルートでの費用を詳しくみていきましょう。

実務経験ルートでは、国家資格受験に際して2つの条件をクリアする必要があります。ひとつは「介護福祉士実務者研修」という研修を修了すること。介護職に必要な知識と技術を、450時間以上のカリキュラムで学べるようになっています。スクールによって違いがありますが、費用はだいたい10~15万円前後、学習期間は6ヵ月程度と考えておきましょう。

もうひとつは、介護福祉施設などで「3年以上の実務経験」を積むこと。正確には、「従業期間1,095日以上、かつ従事日時540日以上」の実務経験が必要とされています。3年以上介護施設に籍を置いていても、その間に介護以外の業務に携わった日が多かったり、産休・育休など長期休暇を取得したりしていると、この条件を満たさないことがあるので注意が必要です。

この2つをクリアして介護福祉士国家試験に合格すれば、晴れて介護福祉士になることができます。国家試験対策は、通信講座などでプロに教われば5万円程度、独学で対策するならテキスト代のみなので数千円程度に抑えられます。

取得にかかる費用を通算してみると、研修費用10~15万円と国家試験対策費を合わせて約10.5~20万円程度。さらに試験の受験料が15,300円、合格後登録するために登録免許税9,000円と手数料3,320円がかかるので、全体としては安く抑えても13万円、高くなると20万円を越えることも想定しておきましょう。

公的な助成金情報

日々の生活を維持したうえで、さらに20万近い出費は決して軽いものではありません。介護人材の不足を解消していくためにも、資格取得の負担低減に向けさまざまな助成金制度が用意されています。

介護福祉士実務者研修受講資金貸付事業

これは各自治体で行われているもので、スクール受講費用や交通費として15~20万円程度まで無利子で借りることができるものです。借りたお金は資格取得後2年以上介護職として働けば返済が免除に。自治体によって借りられる金額の上限に違いはありますが、全額返済免除になるのはうれしいですね。興味のある方は、お住まいの自治体の社会福祉協議会に問い合わせてみてください。

問い合わせ先一覧

公共職業訓練

ハローワークが主に雇用保険を受給している求職者向けに、無料の職業訓練を行っています。そのなかには介護福祉士実務者研修が受けられるコースもあります。民間スクールに比べると立地や振替の可否など利便性で劣るところもありますが、自己負担はテキスト代などの実費のみなので、スクール費用をかなり抑えることができますね。詳しい問い合わせ先はお住まいの地域を管轄するハローワークとなります。

求職者支援訓練

雇用保険を受給できない求職者向けにも無料の職業訓練があり、こちらで実務者研修を受けることもできます。さらに一定の支給要件を満たす場合は、職業訓練中の生活を支援する給付金として「職業訓練受講給付金」が受けられます。

職業訓練受講給付金とは、訓練を受講している間、1ヵ月ごとに下記の3種類の手当が支給されるというもの。本人の収入が月8万円以下、世帯収入が月25万円以下、等の要件を満たすと受給が可能です。

  • 訓練受講手当:月10万円
  • 通所手当:訓練施設への定期乗車券などの額(月上限42,500円)
  • 寄宿手当:訓練に通うために住居の変更が必要な場合、月10,700円

「資格を取りたいけれど、訓練中働けないとなると当面の生活費が不安」という方にぜひご検討いただきたい制度。興味のある方は、最寄りのハローワークまでお問い合わせください。

教育訓練給付制度

働く人のスキルアップを支援する制度で、講座の受講費用の一部が支給されます。パート・アルバイトや派遣労働者でも、雇用保険に一定期間以上加入していたなどの条件を満たすと給付が受けられます。こちらも問い合わせ先は最寄りのハローワークになります。

教育訓練給付制度(厚生労働省)

一人親家庭を支援する助成金制度

一人親家庭の父または母が資格取得を目指す場合に利用できる助成金制度をご紹介します。どちらも支給を受けるには、事前にお住まいの自治体に相談することが必要です。

まず「母子家庭自立支援給付金・父子家庭自立支援給付金」という制度では、要件を満たす一人親家庭の母または父が研修を修了すると、受講費用の60%が支給されます。

母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業の実施について(厚生労働省)

また、「高等職業訓練促進給付金」という制度を使えば、訓練期間中月額10万円(住民税課税世帯は月額70,500円)、訓練終了後5万円(住民税課税世帯は25,000円)が支給されます。資格勉強中の生活費や保育費に充てることができて助かりますね。

高等職業訓練促進給付金について(厚生労働省)

民間のキャンペーンもチェック

ファイル片手に笑顔で案内する女性

研修の受講費用を抑えるには、民間企業が独自に行うキャッシュバックキャンペーンなどを利用するのも手です。大手のスクールでよく行われているのが、スクールの講座修了後に同系列の介護施設に就職することで受講費用がキャッシュバックされるもの。お金を受け取るには就職先で一定期間以上働くことが必要です。

就職活動の手間が省ける反面、「就職先が自由に選べないのは気になる」「お金を受け取るまで間が空くと困る」という人もいるでしょう。就職先を縛られず、お金もスピーディーに受け取りたいという方は、2022年3月末まで「かいごGarden」が行っている資格取得応援キャンペーンもチェックしてみてください。

キャンペーン対象者は「かいごGarden」を通じて介護のお仕事を始められた方。スクールを自由に選んで通うことができ、研修の受講費用を全額キャッシュバックしてもらえます。国家試験に合格する必要はなく、受講料の支払いをした1~3ヵ月後からキャッシュバックOKなので、お金を受け取るまでのハードルもグッと低く感じられますね。

就業先も介護業界に詳しい専任のキャリア・コーディネーターが、希望の条件に合わせて提案してくれるので安心です。資格取得の費用やその後の就職先に不安がある方は、一挙解決となるかもしれません。ぜひ一度チェックしてみてくださいね!

かいごGarden 資格取得応援キャンペーン

助成金で賢く資格を取得しよう

笑顔のシニア女性と女性介助士

介護福祉士は国家試験のなかでは比較的取得しやすい資格といわれています。それでも3年の実務経験を積んで6ヵ月の研修を修了し、国家試験に合格するという3つを揃って成し遂げるのは本当に大変なこと。せめて資格取得に向けて頑張っている間は、経済的な負担のことで頭を悩ませたくはないですよね。

幸い介護福祉士資格は、取得を後押しする助成金制度が多く用意されています。お財布に余裕があれば、気持ちにも余裕が生まれるもの。活用できる制度は賢く活用し、安心して試験勉強に集中できる環境をつくっていきましょう。

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