【実務者研修資格】費用免除や無料受講する方法|取得メリットも紹介

資格・スキル

受講費用に悩む女性「実務者研修、費用が高くてなかなか受けられない……」

資格取得の意欲はあるものの、受講費が高いことから、介護福祉士実務者研修の受講を迷っていませんか?

介護福祉士実務者研修(以下、実務者研修)は、支援制度を利用して条件を満たすと、受講費用が免除になります。

また、ハローワークで申し込んだ職業訓練を利用して要件を満たすと、受講費用が無料(テキスト代は自己負担)になります。

他にも、給付金などを受けられる制度があるので、迷っていた方にとって受講のハードルがぐっと下がるのではないでしょうか。

本記事では、実務者研修資格を取得することで得られる「メリット3つ」についてもお伝えしますので、受講を悩んでいる方はぜひ参考にしてみてくださいね。

実務者研修費用を免除できる方法(修学資金貸付制度)

授業を受講する女性

実務者研修費用を免除できる方法として、「介護福祉士実務者研修受講資金貸付事業」という制度があります。

実務者研修の受講費を借りることができ、受講修了後に条件を満たせば、借りた費用の返済が免除になるという制度です。

  • 対象者:実務者研修施設に在学している方
  • 貸付金額:20万円以内
  • 返済免除:卒業後に介護福祉士として、介護の業務に2年間勤務することで返済が全額免除

条件を満たせなかった場合は全額返還することになりますが、無利子です。

介護福祉士実務者研修受講資金貸付事業についての問い合わせや申し込みは、各都道府県が指定する団体でおこなっています。

気になられた方は、ご自身がお住まいの各都道府県のサイトで確認してみてくださいね。

参考:厚生労働省「介護福祉士・社会福祉士を目指す方々へ(修学資金貸付制度のご案内)」

実務者研修を無料で受講できる方法(ハローワークから申し込み)

ハローワーク(公共職業安定所)に窓口がある、「ハロートレーニング」は、仕事を探している方を対象とした、無料の職業訓練制度です。(※テキスト代は自己負担)

ハローワークwebサイトの画像
画像引用:ハロートレーニング

対象は、以下のような就職を希望する方です。

  • フリーランス
  • 自営業
  • 主婦
  • 就職が決まらないまま学校を卒業した方
  • 会社を辞めて求職中の方

など

ハロートレーニングを受けたいときは、全国のハローワークで申し込みができます。

ただし、誰でも受講できるのではなく、申し込み後に面接や筆記試験を受け、選考の結果で受講できるかどうかが決まります。

ハロートレーニング受講の流れは、以下の図の通りです。

ハロートレーニングの受講の流れ

画像引用:厚生労働省「ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)」

スクールで実務者研修を受講する場合は、初任者研修などの保有資格があると免除される科目がありますが、ハローワークでの受講の場合、資格があっても全日程の受講が義務付けられていることもあります。

初任者研修などの資格がある方は、事前に確認しておきましょう。

参考:厚生労働省 ハロートレーニング「こんな人にオススメ」

「ハロートレーニング」職業訓練2種類

ハロートレーニングでの職業訓練には、対象者に合わせて2種類あります。

ひとつずつ見ていきましょう。

求職者支援訓練

雇用保険を受給できない求職者の方(フリーランス・自営業・主婦など)を対象に、就職に必要な職業スキルや知識を習得するための職業訓練を実施しています。

主な内容は、以下の通りです。

  • 2ヵ月~6ヵ月の間(※)で、就職に役立つ技能や知識を習得できる
  • きめ細かな就職支援が受けられる
  • 受講料はテキスト代などの実費(1~2万円程度)を除き無料

参考:厚生労働省「求職者支援訓練(求職者支援制度に基づく認定職業訓練)」

公共職業訓練(離職者訓練)

雇用保険を受給している求職者の方(会社を辞めて求職中など)を対象に、就職に必要な職業スキルや知識を習得するための訓練を実施しています。

主な内容は、以下の通りです。

  • 3ヵ月~2年の間、就職に役立つ技能や知識を習得できる
  • きめ細かな就職支援が受けられる
  • 受講料はテキスト代などの実費(1~2万円程度)を除き無料

参考:厚生労働省「公共職業訓練(離職者訓練)」

雇用保険や給付金がもらえる場合も

ハロートレーニングを受講する方は、ハローワークや訓練実施機関からの就職支援を受けられます。

一定の要件を満たす方には、訓練受講中の生活を支援する雇用保険の各種手当や給付金などが支給されますので、該当する方はチェックしてみましょう。

雇用保険・給付金の条件

画像引用:厚生労働省「就職支援・給付金などについて知る」より

参考:厚生労働省「就職支援・給付金などについて知る」

実務者研修費用の一部を受給できる方法3つ

受講費用節約に喜ぶポーズ

実務者研修費用の一部を受給できる方法として、以下の3つがあります。

  • 自治体の支援事業
  • 一般教育訓練給付金
  • ひとり親を支援する事業

ひとつずつ見ていきましょう。

自治体の支援事業

各自治体でも、実務者研修を取得するためのサポートをおこなっています。

たとえば世田谷区の場合、要件を満たしている人が申請した場合に、受講料(テキスト代・補講料・実習費等を含む)の9割(13万9千円が上限額)が助成されます。

自治体によって助成金額が変わるので、お住まいの自治体サイトを確認してみてはいかがでしょうか。

参考:「令和4年度 介護福祉士実務者研修の受講料助成事業」

一般教育訓練給付金

一般教育訓練給付金は、以下の1・2に該当している方が、厚生労働大臣が指定する一般教育訓練講座を修了した場合、支払った費用の20%(上限10万円)を受給できる制度です。

1.雇用保険の被保険者(※)(在職者)
  • 受講開始日に雇用保険の支給要件期間が3年(初めて教育訓練給付金を受給する場合は1年)以上ある方
2.雇用保険の被保険者であった方(離職者)
  • 受講開始日に、被保険者資格を喪失した日(離職日の翌日)から、受講開始日までが1年以内である方
  • 雇用保険の支給要件期間が3年(初めて教育訓練給付金を受給する場合は1年)以上ある方

※上記要件に加え、平成26年10月1日以降に教育訓練給付金を受給した場合は、前回の教育訓練給付金受給日から今回受講開始日前までに3年以上経過していることが必要です。

参考:厚労省「Q&A~一般教育訓練給付金~」

ひとり親を支援する事業

厚生労働省では、ひとり親の経済的な自立を支援するため、「母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業」を実施しています。

事業の施策のひとつに、「自立支援教育訓練給付金」があります。

これは、ひとり親の能力開発を支援するために、対象の講座を受講して修了した場合、国から支援を受けられるものです。

対象の資格のなかに実務者研修が入っており、条件を満たせば費用の最大60%が支給されます。

詳細が知りたい場合は、お住まいの市(町村在住の方は都道府県)の児童(ひとり親家庭)福祉主管課に問い合わせてみましょう。

参考:厚労省「母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業の実施について」

実務者研修を取得するメリット3つ

キャリアアップに喜ぶ介護士

実務者研修を取得するメリット3つをご紹介します。

メリット1.キャリアアップを目指せる

実務者研修を取得するメリットのひとつめは、キャリアアップを目指せることです。

実務経験ルートで介護福祉士を目指している場合、実務経験3年以上に加え、実務者研修を6ヵ月受講し修了することが必要です。

サービス提供責任者の道を考えている場合も、実務者研修を修了していることが要件になっていますので、キャリアアップを目指す方は、取得しておくとよいでしょう。

参考:厚生労働省「ページ5:介護福祉士の資格取得方法」

参考:厚生労働省「訪問介護におけるサービス提供責任者について」

メリット2.給料アップにつながる

実務者研修を取得するメリットふたつめは、給料アップにつながることです。

実務者研修を修了すると、資格手当等が支給されます。

厚労省の「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」によると、無資格よりも資格保有ありの方が、平均給与が高くなっています。

前述した介護福祉士やサービス提供責任者としてキャリアアップすれば、給料アップにつながるでしょう。

介護職員の平均給与額の状況(月給・常勤の者、保有資格別)

介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)を取得(届出)している事業所における介護職員
(月給・常勤の者)の平均給与額について、保有資格別にみると、保有資格の有無にかかわらず増となっている。(統計表第98表)

平均勤続年数 令和3年9月 平和2年9月
(令和3年-令和2年)
全体 8.7 316,610円 309,230円 7,380円
保有資格あり 8.9 319,460円 312,610円 6,850円



介護福祉士 9.5 328,720円 322,680円 6,040円
社会福祉士 8.9 363,480円 347,210円 16,270円
介護支援専門員 13.0 362,290円 355,850円 6,440円
実務者研修 7.7 307,330円 299,890円 7,440円
介護職員初任者研修 8.1 300,510円 293,360円 7,150円
保有資格なし 5.2 271,260円 262,420円 8,840円

注1)「実務者研修」とは、実務者研修、介護職員基礎研修及びヘルパー1級をいう。
注2)「介護職員初任者研修」とは、介護職員初任者研修及びヘルパー2級をいう。
注3)令和2年9月30日と令和3年9月30日ともに在籍している者の平均給与額を比較している。
注4)平均給与額は、基本給(月額)+手当+一時金(4~9月支給金額の1/6)
注5)平均給与額は10円未満を四捨五入している。
注6)「平均勤続年数」は、令和3年9月までに勤続した年数であり、同一法人の経営する施設・事業所における勤続年数は通算して計上している。

画像引用:厚労省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」p.23

メリット3.転職に有利になる

実務者研修を取得するメリット3つめは、転職に有利になることです。

介護職は、未経験でも働ける求人がある一方、募集資格に実務者研修が挙げてある求人も数多くあります。

新たな環境でスキルアップを目指したい方にとって、実務者研修資格を持っている人は、転職に有利になるでしょう。

費用免除や無料で実務者研修資格を取得して、キャリアアップや転職に生かそう

資格取得に意気込む受講生

実務者研修資格を費用免除や無料で受講する方法と、資格を取得するメリットをお伝えしました。

受講費の高さから受講をためらっていた方も、制度を上手に利用すれば、かなり受けやすくなりますよ。

この機会に、キャリアアップや転職に役立つ実務者研修の受講を考えてみてはいかがでしょうか。

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