この職場辞めるべき?見極め次第で介護職の未来が変わる

介護の仕事


初めて行った介護の職場を、たった1日働いただけで退職するという話があります。そこまではいかなくても、3日や1週間、1ヵ月など、かなり短い期間で退職する事例は、介護業界では珍しいものではありません。

働く側の立場では、少し働いただけで結論を出すのは怖いけれど、だからといって合わない職場で我慢して働き続けるのも、スッキリしませんよね。

逆に受け入れる側からいえば、なぜそんなに短期間で辞めてしまうのか、スタッフが定着しないのはなぜなのかという疑問があります。

いずれにせよ介護職にとってどんな職場で働くかは、それで未来が決まると言っても過言ではないほど重要なこと。しっかり見極め、後悔のない決断をくだすためのチェックポイントをお伝えしていきます!

数日働いただけで辞めたいと思ったとき

介護職は、身につけたスキルでサービスをおこなう専門職。どんなスキルが身につくか、スキルが発揮できる環境かどうかは、職場によってちがいます。だからこそ、どんな職場で働くかによって、介護職の未来が大きく変わっていくことがあるのです。

問題のある事業所だと、いくら働いてもスキルが身につかなかったり、給与に満足できなかったり、ストレスや疲労ばかりが大きくなりかねません。

もしもあなたが、たった数日働いただけで「辞めたい」と思ったのなら、まずは冷静に、自分が何に問題を感じたのかを分析してみてください。

介護が初めての初心者さんなら「他人の排泄物の処理なんてムリ」「利用者さんに怒られて、苦手意識が強まった」ということもあるかもしれません。そういうことなら、1日で辞めるのはちょっと待ってください。誰でも最初は初心者なので、いきなり上手にはできません。

問題の解決には、時間が必要なものもあります。そういう場合は、数日働いただけで辞めてしまうのはもったいないかも。最初の壁を乗り越えたところに、あなたの求めていたやりがいのある職場が待っているかもしれないからです。

経験者の方なら、数日働いただけで「辞めたほうがいいかも」と思ってしまう理由は、もっと違うものになるはずです。

「この環境では、やりたい仕事ができない」「身につけたスキルが活かせそうにない」etc・・・このように職場の環境に問題がある場合は、時間が解決してくれることは少なく、また自分の努力だけで変えるのは難しいもの。

辞めたくなる問題の原因が職場にあるのか、それとも自分なのか。短期間でも辞めるべきか、続けるべきか。その見極め方を以下で解説します。

こんな職場はダメ!3つのチェックポイント

1.リスク対策をちゃんとしていない

命をあずかる介護の仕事は、常にリスクと隣り合わせ。
スタッフが共有できるマニュアルの整備や、教育訓練の体制、利用者や職員の感染症対策や、スタッフの腰痛対策など、さまざまなリスクに備えて対策を講じているかどうかは、良い職場かどうかの目安になります。

「そういうのはそれぞれ個人で気をつけてやってます」という場合は、職場として取り組まないと宣言しているようなもの。もしくはまったく意識していないということなので、注意が必要です。

また、当たり前ですが必要な人員が配置されていなければ、安全に働くことができません。夜勤時のスタッフが少なすぎるなど、スタッフに負担を押し付けるような人員配置になっている場合も要注意です。

2.成長できない

資格取得やキャリアアップをバックアップするシステムがない職場は、介護職として成長するのが難しくなります。

「わからないことがあったら聞いてね」と言われても、先輩たちが忙しく走り回っているなかで、新人が質問するのはハードルが高いもの。

新人教育に力をいれている事業所では、まず新人研修があり、その後も「困っていることはないか」「どんな仕事がしたいか」など、きめ細かいフォローがあります。

そうした事業所では積極的に資格取得をサポートしていることも多く、無資格で働き始めても、すぐに介護職員初任者研修、実務者研修を受け、3年働いた後に介護福祉士を取得するという人もいます。

ところが、スタッフの数さえ揃えば仕事は回ると考えているような事業所の場合、スタッフの資格取得や成長に興味がないので、とくにサポートもしてくれません。すると3年後、5年後に大きな差がついてしまうこともあるのです。

3.努力が報われない

上位資格を取っても昇進しても、給料がほとんど上がらない、という場合もあります。

がんばってスキルを身につけても、適正な評価や報酬が得られなければ、働く意欲も湧いてきませんよね。

ときには、役職者が親族で占められていたり、行政からの天下り公務員が施設長などをしているなどで、努力しても望む役職や業務につけないといったケースもあるようです。

数日働いただけでは、こうした情報は分からないかもしれませんが、努力が報われない不満がある場合、職場の雰囲気に必ず反映されるものです。

職場に笑顔や活気がない、先輩スタッフはルーティンワークをこなすだけで熱意が感じられないなど、気になることがあるなら要チェックです。

就活時にチェックすべき「重要事項説明書」


すべての介護サービス事業者は、「重要事項説明書」というものを開示しなくてはならないことになっています。

これを見ると、有資格者の数や、採用数、退職者数、管理者の資格、夜勤帯のスタッフ配置までもがわかります。

たとえば前年度の退職者数が多ければ、何か人材が定着しにくい理由があるのかもしれません。また、管理者がどんな資格を持っているかもチェックしたいところ。介護福祉士やケアマネジャーといった主要な資格を持っていない場合は、実務経験のない施設長である可能性があります。

気になる事業所を見つけたら、まずホームページをチェックして、重要事項説明をじっくりと読んでみましょう。あなたが応募するかどうかを決めるにあたって、多くのヒントをくれるはずです。

職場見学でのチェックポイント

面接に行ったら、必ず施設内を見学させてもらいましょう。自信がある事業所なら、見学させてくれるはず。面接は、事業所があなたをチェックするのと同時に、あなたが事業所をチェックする場でもあるのです。

下記に、面接時に見るべきポイントの例を挙げておきます。

  • スタッフが笑顔で気持ちよく挨拶してくれる
  • ユニフォームがきれい(汚れていない、着崩していない)
  • 言葉遣いがていねい
  • スタッフルームが整理整頓されている
  • 共用のリビングなどが整理整頓されている

上に立つ立場の人が高圧的な態度をとってくる、スタッフが目も合わせてくれない、あるいはジロジロと見てくる、あちこちが乱雑で汚れている、カレンダーが前月のまま・・・そんな職場なら、応募を辞退するほうがよいかもしれません。

事業所にとっても、数日働いただけで退職されるよりも、最初に断ってくれる方がよいものです。日をおかずこちらから、応募を辞退する旨を伝えましょう。

受け入れる側の心構え

もしもあなたの職場が、「人材が定着しない」「採用しても短期間で辞めてしまう」といった悩みをかかえているならば、上で挙げた項目に心当たりがないかを振り返ってみてください。

どれも当てはまらないという場合には、それらがちゃんと新入職員に伝わっていなかった可能性もあります。

優秀な人材ほど、見切りをつけるのは早いもの。介護業界は、よりよい職場を求めて人材が流動しやすい特性があります。現場が忙しいから、経験者だから分かるだろうと放っておくと、新入職員が不安を感じ、慣れる前に辞めてしまうことにつながります。

とくに最初の数日~数週間はできるだけ時間をつくって、疑問や不安がないかをこちらから聞いてみるなど、しっかりサポートしていきましょう。

スタッフを大切にしている職場で働こう


介護業界はよく「玉石混交(ぎょくせきこんこう:良いものと悪いものが混ざっていること)」といわれます。

これは利用者側にとってはもちろん、働く側にとっても当てはまること。介護スタッフ一人ひとりの未来や人生を大切に考える事業所なら、安心して長く働くことができ、仕事に充実感を感じながら、成長していくことができます。

逆に介護は誰でもできる仕事だと考えているような事業所では、スキルアップも望めません。

もしも運悪く、そうした事業所に入ってしまったと判断できたなら、勇気を持って辞めることも選択肢。働いた日数が多い、少ないは関係ありません。そして次こそは、間違いのない転職活動を始めましょう。

そのためのヒントとして、上に挙げたチェックポイントを活用してくださいね。

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