40代未経験でも介護職に転職成功するには?ポイントやプランを紹介

介護の仕事

微笑む女性

「40代から介護職に転職して、続けられるかな」
「介護職未経験だけど、40代からでも安定した給料がもらえるだろうか」

40代で介護職への転職を考えながらも、そのような不安が頭から離れず、最初の一歩がなかなか踏み出せずにいる人も多いのではないでしょうか?

介護職は、40代ならではの経験が強みになり、長く活躍ができる仕事です。40代からでも十分キャリアアップもできます。

本記事では、40代から介護職として働くメリット・デメリットや、転職成功のためのポイントをお伝えします。

40代未経験から介護職に転職した場合のキャリアプランも詳しくご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

40代でも介護業界への転職が可能な理由

40代でも介護業界への転職は十分可能です。
その理由を、最新のデータを元に解説します。

◆介護業界は長期的に働ける。介護職40歳以上の割合は約7割

介護職40歳以上の割合図

令和3年度介護労働実態調査によると、介護職の年齢は「45歳以上50歳未満」が13.8%で最も高く、「40歳以上45歳未満」が13.4%と続いており、平均年齢は47.7歳です。

全体の人数のうち、40歳以上が占める割合は約7割。介護職に転職した場合、40代はめずらしくなく、むしろ上の世代も多く働いています。

60代以上の割合も15.9%となっており、介護の仕事は40代からでも長期的に働くことが可能です。

◆福祉分野での新規求職登録者の平均年齢は45.6歳

円グラフ

参考:令和3年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書p.83

福祉分野における令和3年度 新規求職登録者の平均年齢は45.6歳。前年度に比べ0.2歳上昇し、令和1年度と比べると1.5歳の上昇となっています。

新規求職者の登録時の年齢は、「50~59歳」が最も多い26.8%、次に「40~49歳」(26.1%)と続いていることからも、40代での介護職への転職は多いといえるでしょう。

◆介護業界は常に人材が求められている

折れ線グラフ

参考:令和3年度 介護労働の現状について 公益財団法人 介護労働安定センター

40代でも介護業界への転職が可能な理由として、常に人材が求められている現状があることもあげられます。

平成29年から令和3年の間の、従業員の不足感は、事業所全体で見ると、おおむね60%台で推移している状態です。

図

参考:令和3年度 介護労働の現状について 公益財団法人 介護労働安定センター

また、厚生労働省は、令和3年7月9日に第8期介護保険事業計画の介護サービス見込み量等に基づき、都道府県が推計した介護職員の必要数を公表しました。

以下の介護職員を確保する必要があると推計されています。

  • 2023年度には約233万人(+約22万人)
  • 2025年度には約243万人(+約32万人)
  • 2040年度には約280万人(+約69万人)

※()内は2019年度(211万人)比

介護業界は今後も常に人材が必要とされているため、40代からの転職も歓迎されるでしょう。

40代から介護職に転職するメリット5つ

紹介する女性

40代から介護職に転職するメリットは大きく5つです。

それぞれについて見ていきましょう。

◆メリット1.介護職はこれまでの仕事・人生経験を活かせる

介護職は、40代のこれまでの仕事や人生での経験を活かせる仕事です。

営業の経験があれば、ご利用者様に合わせたコミュニケーションをとりやすいのではないでしょうか。また子育ての経験があれば、施設でのレクリエーションや相手に合わせた介助に役立てられます。

事務系の仕事も、施設運営に関する事務などに活かせます。

◆メリット2.景気に左右されず、安定した収入を得られる

介護の仕事は景気に左右されないため、安定した収入を得ながら働き続けられる職種です。

前述したように、介護人材は常に求められており、多くの施設からの求人があります。

自分の働き方に合う施設や職種をみつければ、長期間働き続けられるでしょう。

◆メリット3.未経験から挑戦しやすくキャリアアップが可能

介護職には、40代未経験からでも取得できる資格が多くあるので、着実にスキルアップできます。

知識と経験を積み重ねることで、40代からでも施設長を目指すことも可能です。

◆メリット4.両親や家族の介護に活かせる

40代の親は、60代~70代の方が多く、介護が必要になってくる年齢にさしかかっていることが多いのではないでしょうか。

介護の仕事で得た知識や技術は、自分の親の介護にも活かせます

また、親の介護で困ったり悩んだりしたときに、同僚や上司に相談しやすいのもメリットの一つです。

◆メリット5.年齢を重ねても活躍できる

冒頭で紹介したように、介護職は60~70代の人も活躍できる仕事です。

介護職も施設によって60~65歳という定年はありますが、定年後も再雇用や臨時職員など、正社員以外の雇用形態で働いている人も多くいます。

また、アルバイトや派遣であれば年齢制限はないため、自分の体力など問題がなければ、働き続けることが可能です。

40代から介護職に転職するデメリット3つ

40代から介護職に転職するデメリットは、大きく3つです。

それぞれについて見ていきましょう。

◆デメリット1.体力的に厳しく感じる場合がある

介護職の仕事は腰やひざに負担をかけることも多いため、40代から転職する場合、辛く感じることもあるでしょう。

体力的に厳しいと感じるようであれば、介護のなかでも事務の多い職種を見据えて資格を取る方法もあります。

また、通所介護施設など、体力的な負担が少なめの施設を選ぶことで、働き続けやすくなります。

◆デメリット2.年下上司の対応や職場の人間関係に悩むこともある

介護の仕事では、40代以上の人が多いとはいえ、20代から働いている人が上司になっている場合もあります。

以前の職場で自分が上司の立場だった人は、自分より若い上司の言い方や対応に、反発や難しさを感じることもあるかもしれません。

ですが、介護の仕事では職員同士のコミュニケーションが欠かせないため、人間関係がうまくいかないと仕事に支障が出てしまいます。

事前に職場見学に行って職場の雰囲気を見ておくなど、働きやすそうな環境かどうかを確認しておくとよいでしょう。

◆デメリット3.同年代の他の職種に比べて給料が安い

40代で介護職に転職した場合、他の職種に比べて給料が安くなる場合もあります。

夜勤がある施設を選んだり、キャリアアップすることで給料を上げる方法もあるので、施設を選ぶ際に確認するようにしましょう。

給料アップについては、次に詳しく見ていきます。

介護職が給料アップする方法は?

令和3年
介護従業者
(集計対象数)
平均
年齢
(単位:歳)
平均勤続
年数(単位:年)
実労働
時間数
(単位:年)
平均一時金額
(円)
介護職員 常勤の者 23,448 44.7 8.7 163.6 316,610
非常勤の者 509 51.9 7.5 101.3 198,520
看護職員 常勤の者 6,280 51.1 9.8 159.2 369,210
非常勤の者 172 57.9 8.3 97.4 204,380
生活相談員・支援相談員 常勤の者 3,943 44.7 10.5 164.4 338,370
非常勤の者 56 50.3 7.0 97.3 290,820
理学療法士、作業療法士、
言語聴覚士又は機能訓練指導員
常勤の者 4,485 39.3 7.7 159.7 350,080
非常勤の者 122 42.7 8.2 97.3 295,880
介護支援専門員 常勤の者 3,260 49.8 11.8 162.7 353,560
非常勤の者 59 50.8 9.4 89.2 227,200
事務職員 常勤の者 3,541 47.1 10.7 161.9 301,940
非常勤の者 65 51.1 8.2 98.4 197,230
調理員 常勤の者 2,223 47.1 9.1 162.0 259,270
非常勤の者 56 62.6 10.3 93.0 140,580
管理栄養士・栄養士 常勤の者 2,571 40.6 9.5 160.8 311,190
非常勤の者 34 42.9 10.4 95.6 215,830

 

令和3年
介護従業者
(集計対象数)
平均
年齢
(単位:歳)
平均勤続
年数(単位:年)
実労働
時間数
(単位:年)
平均一時金額
(円)
介護職員 常勤の者 23,448 44.7 8.7 163.6 316,610
非常勤の者 509 51.9 7.5 101.3 198,520
看護職員 常勤の者 6,280 51.1 9.8 159.2 369,210
非常勤の者 172 57.9 8.3 97.4 204,380
生活相談員・支援相談員 常勤の者 3,943 44.7 10.5 164.4 338,370
非常勤の者 56 50.3 7.0 97.3 290,820
理学療法士、作業療法士、
言語聴覚士又は機能訓練指導員
常勤の者 4,485 39.3 7.7 159.7 350,080
非常勤の者 122 42.7 8.2 97.3 295,880
介護支援専門員 常勤の者 3,260 49.8 11.8 162.7 353,560
非常勤の者 59 50.8 9.4 89.2 227,200
事務職員 常勤の者 3,541 47.1 10.7 161.9 301,940
非常勤の者 65 51.1 8.2 98.4 197,230
調理員 常勤の者 2,223 47.1 9.1 162.0 259,270
非常勤の者 56 62.6 10.3 93.0 140,580
管理栄養士・栄養士 常勤の者 2,571 40.6 9.5 160.8 311,190
非常勤の者 34 42.9 10.4 95.6 215,830

引用:「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」(厚生労働省)参考第79表p.144

厚生労働省の令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果によると、介護職の給与は、施設や役職、勤続年数・資格の有無・夜勤の回数などによって異なっています。

介護職が給料を上げる方法は、以下のようなものがあるので、これらを参考に施設を選ぶのもひとつです。

  • 非常勤よりも常勤で働く
  • 夜勤のある施設で働く
  • ボーナスが多くもらえる施設で働く
  • 資格を取得する
  • 役職につく

自分に合う方法で給料アップを目指しましょう。

40代から介護職への転職を成功させるために必要なポイント

40代から介護職への転職を成功させるために必要なポイントとして、以下の3つがあります。

一つずつ確認していきましょう。

◆ポイント1.資格を取っておく

介護未経験で資格がなくても、デイサービスなどの介護施設で働くことは可能です。

ただ、介護現場では人手不足のため、即戦力が求められています。介護に関する資格を持っていると、仕事の幅も広がり、より転職に有利になります。

たとえば介護職員初任者研修は、介護に関わる資格の中でも初心者向けのものです。

実務経験がなくても、130時間の研修を受け、全課程終了後の修了試験に合格することで資格を得られます。

介護に関する基礎的な知識を身につけられるため、未経験の人が最初にとっておくとよいでしょう。

参考:介護員養成研修(介護職員初任者研修・生活援助従事者研修)(厚生労働省)

介護職で給料アップを目指すには、前述したように資格取得も重要です。

働きながら資格を取得していくために、施設に資格取得支援制度があるかどうか、また教育制度が充実しているかどうかも確認しましょう。

また、長く働き続けるためには、職場の人間関係も重要です。施設の見学は必ずするようにしましょう。

見学をする際は、以下について確認するようにします。

  • 職員同士のやりとりが明るく、活気があるか
  • 言葉遣いや挨拶が丁寧か
  • 職場の整理整頓ができているか

職場の雰囲気がよくない、職員の言葉遣いが粗いなど、「ここは自分には向いていないかも」と感じるようであれば、その施設での転職は見送った方がよいでしょう。

◆ポイント3.家族の理解を得る

40代で介護職に転職する場合は、家族とよく話し合って理解を得ておきましょう。

前述したように、40代で介護の仕事に転職した場合、これまでよりも給与が下がってしまう場合もあります。

また、夜勤のある施設に転職した場合、生活リズムが家族とずれてしまうことも。

自分がどのような思いで介護職への転職を考えているのか、今後はどのような展望を持っているのかなどを伝えて話し合い、きちんと家族の理解を得ておくことが大切です。

あらかじめ十分話し合っておくことで、家族から不満や不安が出てくる可能性を軽減できるでしょう。

40代未経験から介護職に転職した場合のキャリアプラン

ここからは、40代で未経験から介護職に転職した場合のキャリアプランを紹介します。

◆1~3年目は実績を積みながら資格取得を

介護職になって最初の1~3年目は、介護技術の基礎を身につけ、実績を積みながら資格取得を進めていくのがおすすめです。

国家資格である介護福祉士になるには、3年間の実務経験と介護職員実務者研修の修了が必須です。

無資格からチャレンジする場合は、以下の順番で資格を取得していくのが一般的であるため、まずは介護職員初任者研修から受けましょう。

  1. 介護職員初任者研修
  2. 介護福祉士実務者研修
  3. 介護福祉士

すでに介護職員初任者研修を取得している場合は、介護福祉士実務者研修から進めていきます。

参考:介護福祉士実務者研修について(近畿厚生局)

 

◆4年目以降はキャリアアップの方向性を見据えた資格取得を

4年目からは、介護福祉士の資格試験に向けて、実績を積みながら勉強を進めていくのがおすすめです。

介護職には、介護福祉士の他にも現場で活かせるさまざまな資格があるので、今後目指す方向性に合った資格を積極的に取得していきましょう。

施設の管理者を目指すことも可能です。

以下、

  • 介護職員
  • 訪問看護
  • ケアマネジャー・生活相談員
  • 施設長

それぞれのキャリアにおいて必要な資格を紹介します。

介護職員としてスキルアップするには

介護職員としてスキルアップするには、以下の資格を取得するのがおすすめです。

  • 認定介護福祉士
  • 医療介護福祉士
  • 社会福祉士

認定介護福祉士は、介護福祉士の上位資格に位置づけられる民間資格です(※1)。

多様なご利用者様や生活環境・サービスに合わせて、より質の高い介護実践や、介護と医療の連携強化など幅広く支援に関わる仕事をおこないます。

事業所や施設の介護サービスマネージャー、地域や行政との連携などで活躍できます。

医療介護福祉士は、介護技術だけでなく、医学的な知識も持っている介護福祉士の需要が高まっていることから作られた資格です。

医療の知識があり、看護師やほかの職種との連携を強化できる点から、介護の現場において評価を得られるでしょう。

社会福祉士は、身体上・精神上にハンデがある人や、日常生活を過ごす際に支障があるご利用者様の相談援助ができます。介護の他、学校や病院などでの勤務も可能です。

社会福祉士は専門性の高い国家資格であるため(※2)、資格を取り社会福祉士として働くことにより年収アップも期待できます。

(※1)参考:認定介護福祉士について

(※2)参考:社会福祉士国家試験

訪問介護でスキルアップするには

訪問介護でスキルアップするには、以下の資格を取得するのがおすすめです。

  • ガイドヘルパー
  • サービス担当責任者
  • 医療介護福祉士

ガイドヘルパー(同行援護従業者)は、視覚などに障がいがあり、一人での外出が難しい方の移動に同行して必要なサポートをする際に必要な公的資格です。(※3)

試験はなく、自治体が指定する養成研修実施機関で研修カリキュラムを履修すれば取得できます。

サービス担当責任者は、ご利用者様にとって適切な訪問介護サービスが提供できるよう管理・調整をする仕事です。(※4)

ご利用者様や家族との連絡やケアマネジャーとの連携、訪問介護計画書の作成、ホームヘルパーの業務管理・育成などをします。

(※3)参考:同行援護について(厚生労働省)

(※4)参考:訪問介護におけるサービス提供責任者について(厚生労働省)

ケアマネジャーや生活相談員としてスキルアップするには

ケアマネジャー(介護支援専門員)は、主に介護サービスのご利用者様にケアプランを作成します。(※5)

ご利用者様が介護保険サービスを受けるためにはケアプランが必須であるため、今後もケアマネジャーの需要は高まるでしょう。

介護福祉士として5年以上の勤務経験を積むことで、ケアプランを作成するケアマネジャーの受験資格を得られます。

生活相談員は、老人福祉施設に入所あるいは通所しているご利用者様が、快適に、可能な範囲で自立的に日常生活を送れるように、相談援助や連絡調整などをします。(※6)

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)や介護付き有料老人ホーム、通所介護事業所などの施設では生活相談員の配置が義務付けられていること、人手不足が続いている職業であることから、常に募集がおこなわれています。

(※5)参考:介護支援専門員(ケアマネジャー)(厚生労働省)

(※6)参考:老人福祉施設生活相談員

組織の管理職や施設長になるには

施設によって、施設長・管理者の資格要件が異なります。

たとえば、特別養護老人ホームの場合、施設長になるには以下の要件を満たすことが必要です。

    1. 社会福祉主事の要件を満たす者
    2. 社会福祉事業に2年以上従事した者
    3. 社会福祉施設長資格認定講習会を受講した者

介護老人保健施設の場合は、介護保険法第95条により、「都道府県知事の承認を受けた医師に当該介護老人保健施設を管理させなければならない」と定められています。

ただし、都道府県知事の承認を受けた場合、医師以外の者が管理することも可能です。

その他、施設によって要件が異なります。

参考:施設長の資格要件等(厚生労働省)

40代からの介護職への転職を成功させよう

はりきる女性

これまで経験したことのない介護職への転職、しかも40代からとなると、さまざまな不安が頭をよぎるかもしれません。

しかし、介護人材の需要は今後ますます増加することが見込まれており、定年も関係なく働ける仕事です。

人と人が付き合う仕事なので、40代ならではの人生経験も役に立つでしょう。

目的を持ってキャリアアップを目指し、積極的に学ぶ人は、今後も活躍の場が広がりますよ。

転職を成功させたいと考えている方は、一度、多くの介護施設の特徴を把握しているキャリア・コーディネーターに相談してみてはいかがでしょうか?

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